騒音のうるさい電車などの中でも会話ができる。うるさいとは思うけれども、相手の言うことはなんとか聞き取っている。聞き取れぬ部分は見当をつける。しかし、テープレコーダーで、①それを録音してみると、会話はほとんどききとれないことに驚くのである。この差は人間の耳と機械の耳の相違による。人間の耳は自分の欲する音声を選び出し、それ増幅してキャッチし、欠損部は、補充する。それに対して、機械は音声も騒音もわけへだてしないで公平に記録してしまう。これによっても、人間の耳はあるがままのものを聞くのではなく、必要と感ずるものだけを聞く器官であることがはっきりする。必要がないと思えば、②馬耳東風、聞けども聞こえずになる。何日も病気の子どもの看病をしている母親があるとする。看病の疲れでまどろみがちになるだろう。うとうとしているとき、台所で物の落ちる大きな音がしても、彼女はまるで反応を示さず居眠りを続ける。ところがそのあと、病児がかすかな声を出すと、母親はとたんに目を見開く。この母親には、台所の物音などはどうでもよいが、病児のちょっとした変化でも、③重要な意味を持っていて、居眠りをしながらも子どもには注意が向けられているのである。(④)、人間の認識は外界の刺激のあるがままに忠実に反応して得られるものではない。われわれが理解したと思っているのは、対象のコピーではなく、⑤あらかじめ思っている関心によって選択された情報によって作られたもので(言い換え)ある。忠実な録音テープと比較すれば、人間の理解はデフォルメされた認識、すなわち、一種の誤解であることがはっきりするはずである。④ )に入れるのに、もっともよいのは何か。( )
选项:
A:したがって
B:そして
C:そのうえ
D:このように
发布时间:2024-06-21 12:22:57